『お客さまには「うれしさ」を売りなさい』レビュー
『お客さまには「うれしさ」を売りなさい』レビュー。
お客さまには「うれしさ」を売りなさい 一生稼げる人になるマーケティング戦略入門
- 作者: 佐藤義典
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2018/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読書の目的
美しいものはシンプルである
マーケティングについてあまり知識を持っていない。
そんな時に出会ったのが佐藤義典氏の戦略BASiCSの本であった。
戦略BASiCSの考え方はいたってシンプルで、マーケティングの4Pなどといった一般的な概念を、より一層使えるフレームワーク、使える考え方にリバイスされた内容である。
美しいものはシンプルである。
今でもマーケティングとは?、と聞かれると答えに窮することがある。
しかし、マーケティングが、この戦略BASiCSに収斂されるということは何となく理解している。
自分の強みと対する顧客、それを包括する競合が存在するフィールドについて考えを巡らすことで、ポジショニングを確立することとでも言うべきか。
強みと独自資産の違いについて、最初はなかなか理解できなかった。
「強み」は表面的に見える部分であり、顧客にとっての嬉しさ、バリューであることをであって、「独自資産」は強みを真似されないための具体的な違い、それを支える独自のノウハウという理解になる。
実際に使えるマーケティングの考え方
- マーケティングの基本となる部分を、佐藤氏の言葉で再度確認し、自分のベースとして定着させること
- 自分のビジネスにおいて、このマーケティングの考え方を整理して活用することで、組織全体の売り上げ向上を目指す
- ファンドレイジングの知識と相乗効果で、ベネフィットを提供しつつ、資金を調達し成功できる団体を増やせるようにする(第三者に伝える)
読書の目的としては、より一層マーケティング、戦略BASiCSについての理解を深めることをが挙げられる。
平易な言葉を用いて展開される本書は、結果的に理解の再整理に役に立ったし、新しい概念を手に入れることにもつながった。
この考え方は、どんなジャンルの分野においても展開することができるだろう。
そういった意味で、自分自身もこの考え方を体得することができれば、自分が関係する団体さんに貢献することができるはず。
また、ファンドレイジングという分野との相乗効果を見ることもできるだろう。
組織体制まで踏み込んで全体的な売り上げの向上や資金調達と言う意味合いを持つファンドレイジングであるが、具体的な戦略や戦術について、マーケティングの要素も当然ながら必要になってくる。
すぐに消えていく商品やサービス群の中にあって、長期的に強みを維持しながら売り上げを確保していくというマーケティングの考え方を、早く体得したいし使えるようになりたい。
企業にとって価値に感じてもらえる能力やノウハウを身に付けることは、自分の価値向上にもつながるし、自身を成長させてくれる一つのきっかけにもなるだろう。
感想、レビュー
- 戦略BASiCSについては、他の書籍において理解していたが、TPOについての検討が新鮮で使える概念であると感じた
- 平易な言葉で理解もしやすくサクッと読めた一冊であり、入門編として他人にも薦められる内容で、関係する団体さんにも紹介したいと思う
- 社内全体において、戦略BASiCSが普及することで社会全体がより住みやすく、嬉しさの溢れる世界になると感じた
TPO×戦略BASiCS
具体的なTPOに落とし込むことで、使い方や利用場面を詳細に描き出すことができ、そしてその時に選ばれる商品・サービスも考えられるようになる 52
著者の本は何冊か読んだことがあるが、TPOに応じて戦略BASiCSを組み立てると言うのは初めて出てきた考え方だ。
著者は繰り返し強調しているが、「価値は使い方にあらわれる」と言う部分をまさに体現した1つのフレームワークとも言える。
機能は単純な「機能」であり、それは強みではない。
「強み」があってこそ初めてお客様に嬉しさが伝わる。
「強み」はその強みを支える誰にも真似されない「独自資産」が必要である。
一方で、その「強み」は、相手に伝わらなければ意味がない。
論理的だが奥が深い。
マーケティングに関する、THE入門書
奥が深いがシンプルな考え方ではあるので、平易な言い回しも相まって、すっと入ってくる内容であった。
マーケティングの入門編としてはこれ以上ない書籍だと思う。
大学生時代に出会っていれば自分の考え方も変わったかもしれない。
高校生や大学生レベルからこの考え方を身に付けることができれば、マーケティングと言う素養を持った社会人が増えて、社会がより一層嬉しさの溢れる世界に変わるだろう。
言うは易く行うは難し
一方で、当然ながら難しい部分があるのは認識しておく必要がある。
強みと顧客を「行ったり来たり」して考えることで、より精緻な「顧客ターゲット」や「強み」が考えられるようになります。136
言うはやすし行うは難し。
自団体のことになると、急に考えられなくなることが往々にしてある。
ひとまず戦略BASiCSを作って、それが一貫性があるか、具体性があるか、という観点からチェックを行う。
一方でターゲットとなる設定が間違っている場合もあるし、強みと思っているものが強みではない、簡単に真似されてしまうものであることもよくある。
実際に戦略を立てるときは、戦略を立てるだけではなくてきちんとPDCAを回して、その理論自体が正しいのかどうか、もっともらしいかどうかと言う部分を確認しなければならない。
客観的な意見をもらえるコンサルタントが入るとより一層分かりやすく、違った角度からメスを入れてもらうことができるだろう。
自分自身も、戦略BASiCSを身に付けることができれば、コンサルティングに入った際に1つの武器として使うことができる。
売り手は売り手
「立場変われば人変わる」で、買い手にとって当たり前のことが、売り手になった瞬間にさっぱり分からなくなるものです。199
自分が欲しいサービスかどうか、商品かどうかについてはすぐに判断できる。
一方で自分が作る商品が、自分が狙うターゲットに対して響くかどうかという点については、根拠のない判断基準を持って決定されていることが多い。
よくわからないまま物事を決めてしまうこともあるだろうし、思い込みで進めてしまうこともあるだろう。
いずれにしても、自分が狙うターゲット層に対してのヒアリング等は実施すべきであるし、実施できない場合でも統計等の情報用いて議論の確からしさを担保するようにした方が良い。
まとめ
- スポーツビジネスに当てはめることによって、通常は見落とされがちなターゲットからメッセージまでの概念を再構築する詳細
- ファンドレイジング×戦略BASiCSの理論を整理し、自分の中での理解を深め、誰かしらに対して、伝えつつさらに理論を構築する
スポーツビジネスでの活用へ
結局のところ、自分が関わるスポーツやファンドレイジングの世界で本書の考え方を有効に活用しなければならない。
企業の経営に関して、分野は違えど考え方は同じ。
特殊な世界と思っていたら、特殊と思っていない人に対して負けてしまうだろう。
「自分が絞らなければ、絞ってきた競合に負ける」86
チケットを売って、スポンサーを集めるという営業にも、自団体のビジョンやミッションを明確にしてターゲットを定めて動かないといけない。
伝わり方は間違っていないか、一貫性はあるかなど、論理的な打ち手になっているかをきちんと検証すべきである。
自転車操業になりがちな地域プロクラブにおいて、丁寧に足元から固めて動くことは非常に重要だ。
非営利法人でのマーケティング
また、非営利団体のファンドレイジングをするにあたってもマーケティングは重要である。
誰に対して矢を放つのか、強みは明確か、伝わっているか。。
考えるポイントはたくさんあるが、社会課題の解決に向かうのは営利企業も似たようなもの。
私たちが何かを買って使うという時は、何らかの「課題」を解決したい時でもあるのです。その意味で、「うれしさ」と「課題解決」は同じことです。26
最初の購買のときに大事なのが「おいしそう」なことで、リピート購買のときに大事なのが「おいしい」ことです。「おいしい」だけでは、初回購買は起きない 180
非営利法人だから売り上げが作れないわけでもない。
構築するBASiCSに筋が通っていれば必然的に支援される可能性も高まる。
共感がキーポイントでもあるが、共感を生み出すにも適切な人に適切な紹介をしなければそもそも共感にも至らない。
戦略BASiCS、シンプルであるがやはり奥が深い。
学びはまだまだ続きそうだ。
「対話型ファシリテーションの手ほどき」レビュー
「対話型ファシリテーションの手ほどき」レビュー。
会議等で必要とされるファシリテーション。
全体の流れをデザインしながら合意形成にもっていく力は重宝される。
本書は、個別の対話の中で有益なやり取りを可能にするメタファシリテーションという手法について説かれている。
具体的にはどのような手法なのか?
目的
読書の目的は以下の3点だ。
ファシリテーションの考え方を深めて使い倒すというイメージになる。
- 対人関係でのコミュニケーションにおいて、自身の考えを伝えながら相手の根本的なニーズに踏み込むことがあまりできていない部分を改善する
- 議論を推進するファシリテーターとしての技量を向上させたいという思いから、対話を重視する手法についても知見を広げたい
- より一層のビジネス面での発展や成長を期待し、社会にも必要とされるノウハウを提供できる人物になりたいと思った
「対人関係でのコミュニケーションにおいて、自身の考えを伝えながら相手の根本的なニーズに踏み込むことがあまりできていない部分を改善する」
ビジネス上で誰かと話をして相手のニーズを汲み取ってソリューションを提供する。
これは、ビジネスにおけるサービスの基本であり極意である。
自分自身コミニケーションがお世辞にも上手というわけではない。
その中でまずは自分の考えをどこまで追求して考えられるかと言う部分にフォーカスを当てて今まで取り組んできた。
一方で、自分だけの考えで物事が進むわけではなく、相手との折衝の中で意見をぶつけ、合意形成したのちに実行に移っていくと言う要素が残ってくる。
自分の理想を見据えたときに、考える力を高める作業は引き続き継続するとして、相手に対してどこまで引き出してニーズを組んだ提案ができるかと言う部分について取り組まないといけない。
その意味では、メタファシリテーションと言う手法を学ぶ事は、対人関係を円滑に回すだけではなく、相手のニーズやウォンツを探り出し、的確なソリューションを提案することにも繋がる。
そして、もし相違点があれば、お互いに話し合った上で、新しいもう1点、あるいは妥協点を見つけ出すこともできるだろう。
「議論を推進するファシリテーターとしての技量を向上させたいという思いから、対話を重視する手法についても知見を広げたい」
対人コミニケーションの中で相手と交渉することも当然必要。
別の切り口でビジネスを見るケースがある。
それは、自分が第三者的な立ち位置からビジネスに入り込み、そこにいる人々の合意形成を促す走りてたと言う役回りをすることである。
ファシリテーションは、コンサルティングをする、あるいはプロジェクト内で話を進める際にも使える手法である。
ファシリテーション能力が高ければ、AさんとBさんの考えを汲んだ上で別の視点を持ち出して話をしたり、あるいはお互いに嫌な思いをせずに話をまとめることができる。
会議の促進役としてその場を円滑に回すことができれば、この会議体にとっては時間を短縮することもできるし、さらに有益な考え方をして結論を導き出すことができる。
今後の人生、ビジネスにおいてもファシリテーションと言う能力は必要性を増してくるし、誰よりも先んじて能力を身に付けることが重要になってくる。
「より一層のビジネス面での発展や成長を期待し、社会にも必要とされるノウハウを提供できる人物になりたい」
ファシリテーションは、ビジネスだけではなくプライベートにも役に立つ。
家族内で何か揉め事が起こったときに、それぞれの意見を把握し別の考え方を提示したり、合意形成できそうな落としどころに結論を導くこともできる。
すなわちプライベート、家族の平和につながるのである。
このように、ビジネスやプライベートにおいてもファシリテーションの役割は強まってくる。
有効な力を持つファシリテーションを、自分の力にしつつ、まだこの技術を知らない人に伝えることができれば、それぞれの会議体はより一層円滑になるだろうし、時間を有効活用した上でそれぞれの時間を有効に過ごすことにも寄与するだろう。
感想
- 通常の会話にあたっても使えるスキルであり、事実質問を積み上げたうえで問題点に気付いたり真意に近い話をすることができるので身に付けたい
- 一般的なファシリテーションというより、スポーツやビジネスでのコーチングというニュアンスを受けるが、突発的な対応がイメージが湧かない
- ファシリテーションのアプローチの方法論として、一般的なファシリテーションとともに共存できる
「通常の会話にあたっても使えるスキルであり、事実質問を積み上げたうえで問題点に気付いたり真意に近い話をすることができるので身に付けたい」
事実質問と言うと、どうしても刑事の取り調べをイメージしてしまう。
しかし、本書でも述べられているように、なぜどのようにという言葉は相手の自由回答を促し、そこには本来思っていない自分の気持ちが入ってくる場合には往々にしてある。
そこで、事実質問をすることで、まずは事実を確定させた上でさらに深掘りしたり横に展開することが可能になる。
事実に基づくさらなる質問は、さらに物事の理解を深めた上で、さらなる展開に結び付けることができる。
そして、この手法で一番重要なのが、相手が事実を積み上げることによって物事の矛盾に気づき、自ら軌道修正を図ることに繋がるという部分だ。
どちらかと言うと質問者としては事実を聞き出して、現状把握をすることがまず大切である。
その上で自分が導き出している答えと相手が気づいた答えを照らし合わせて、さらにそれぞれの答えの間にあるギャップを埋めていく作業も可能になる。
メタファシリテーションは、一般的なファシリテーションの技術ではあまり聞かない事実の積み上げと言う部分にフォーカスしていて、自分としては新たな気づきを得たし、ビジネスやプライベートでも活用していきたいと思った。
「一般的なファシリテーションというより、スポーツやビジネスでのコーチングというニュアンスを受けるが、突発的な対応がイメージが湧かない」
また、ファシリテーションというより、個人個人と相対するという意味合いにおいてスポーツ等で実践されるコーチングのようなニュアンスを受けた。
コーチングでは対象者に対して気づきを与えて行動を変革させる意味合いがある。
それはティーチングではなく、その人を引っ張っていく、導いていくと言う考え方でコーチングと呼ばれる。
「ファシリテーションのアプローチの方法論として、一般的なファシリテーションとともに共存できる」
相手を導くと言う根本的な部分が同じで、そこに至る過程を言葉だけで進めるのかメタファシリテーションで、一方、プレーを再現しながらどうすべきかという問いかけを進めるスポーツとは違いがあると認識できる。
同じ問いかけにしてもなぜどのようにと言う言葉がよく出てくるスポーツとは異なり、起きた事象を取り上げてそれをどのように捉えさせるか、相手の気づきを事実質問を用いているメタファシリテーションは特異な存在と考えられる。
今後どうするか
- ファシリテーションのスキルが高い人や協会のセミナー参加を通じて自身の能力を高めていく
- 対人関係において、メタファシリテーションのスキルも使えるように意識して事実質問を積み上げたうえで会議体を回せるように努力する
- 自分の学びを家庭にも持ち込んで、子育てや家族間での成長や意見交換に役に立てる
「ファシリテーションのスキルが高い人や協会のセミナー参加を通じて自身の能力を高めていく」
自分がまだまだファシリテーションの能力が高くない。
だからこそ引き続き学ばないといけないし、いろいろ開催されているセミナーにも参加して具体的に自分の力として定着させたい。
能力が高まればさらに見える景色は変わってくる。
話の流れを読んだ上で適切なコメントができるだろうし、会議がより一層効率的になるように配慮しつつ参加できるだろう。
「対人関係において、メタファシリテーションのスキルも使えるように意識して事実質問を積み上げたうえで会議体を回せるように努力する」
自分の能力として身に付けることができれば対人関係もより一層うまくいくだろうし個人として生きやすくなると思う。
自分はコンサルティングを強化していきたい思いがあるので、第三者的な立場で組織に入ることもある。
だからこそ、自分の思いだけじゃなくたくさんの人の思いを引き出して、よりベターな答えを見つけることができるようにならないといけない。
「自分の学びを家庭にも持ち込んで、子育てや家族間での成長や意見交換に役に立てる」
また、嫁さんや子供の相談に乗ることも上手くなるだろう。
家族個人個人がよりハッピーになれば、家族全体としてもハッピーになれるだろう。
ファシリテーションのノウハウを学ぶ事は、単純にビジネスに活かす事だけではなく、何人にも当然ながら良い影響与える。
これはファシリテーションを学ぶ人にとって自分の人生を豊かにすると言うことと同義になる。
メタファシリテーションは、初めてその考え方の1つであり、全てでは無い。
たくさんの考え方を身に付けた上で、自分に必要と思われる手法を使って会議や、コミュニケーションを円滑に進められるようになりたい。
気になった部分
簡単な事実質問を使った対話術です。5
「なぜ?どうして?」と聞きたくなったら、それをいちど飲み込んで、「いつ?」「どこで?」と言う質問に置き換えて質問すべし 9
5WのうちのWhyは避け、残りの4つ「When =いつ」「Where=どこで」「Who=誰が」「What=何を」の4つに置き換えるように努めてください。中でも1番簡単かつ強力な質問が「いつ?」というものです。何か相手が問題を語り始めたら、「どうして?」と原因や動機を尋ねるのではなく、「1番最近それが起こったのはいつですか?」、と尋ねます。さらに「その前は?」、と聞いていくと相手はどんどん思い出してきます。次には、「それはどこですか?」、「誰と(あるいは誰が、誰に)?」、「何を?」、などと聞き込んでいきます。そうしているうちに、相手は、原因や動機、あるいは事態の捉え方についての自分の思い込みと現実の間のギャップに気づき、自らそれを語り始める、というのがこの対話術の基本中の基本です。11
つまり「いつ?」「どこ?」「誰?」「何?」で聞いていけばいいのです。15
「朝ご飯にはいつも何を食べますか?」の質問は一見すると事実を尋ねているようでいて、実は、「朝ご飯にはいつも何を食べてい(ると思い)ますか?」の『思いますか?』の部分が省略されているということです。29
対話型ファシリテーションは、簡単な事実質問によるやりとりを通して相手に気づきを促し、その結果として、問題を解決するために必要な行動変化を当事者自らが起こすように働きかけるための手法です。基礎にある考え方は、問題の当事者の「気づき」が「行動変化」のための大きなエネルギーとなるというものです。41
「自分で見つけた言葉を使う」という人間の行動原則が、対話型ファシリテーションの重要な基礎原理となっています。47
最後の一言(気づきの言葉)を相手が自分で言うまで、待つ必要があるわけです。47
公式(1)相手が「〇〇の問題で困っている」などと語り始めたら、まず(A)「1番最近、誰がどのように困ったか?」を訪ねるべし。あるいは(B)「それを解決するためにどんな努力をこれまでしてきたか?」を聞く。その目的は、「それは本当に解決すべき問題なのか?」を確かめるためである。68
「1番最近その問題(仮題)が起こった(顕在化した)のはいつですか?」と言う具合に1番最近のことから聞いていくやり方です。ここから、さらに、「その前は?」「その前は?」と聞いていくと、相手はどんどん具体的に思い出します。76
あえて「なぜ?」と尋ねることで、相手の誤った固定観念を引き出し、事実質問を使ってそれを検証することで、新たな学びと気づきを引き起こすという方法を取ったわけです97
自らの経験の中に埋もれた宝を探し出すためには、誰かほかの人に上手に聞いてもらうことで、絡まった記憶の糸を解きほぐすということが必要になります。ここでも「考えさせるな、思い出させろ」というファシリテーターの心得が重要になってくるわけです。100
対話型ファシリテーションの手順としては、まずは当人の経験を十分に振り返ってもらい、他者の経験に学ぶように持っていくのはそれからとなるわけです。102
会議や議論の場に臨んだら、まずは、とにかくこの「空中戦と地上戦」の違いを認識するように努めてください。106
「経営を見る眼」レビュー
「経営を見る眼」レビュー。
目的
経営を見る眼は主にリーダーシップについて知りたくて読んだ。
経営は様々な要素から成り立っているものだが、自分に今一番欠けているものはリーダーシップである。
リーダーシップとは仲間を引っ張る力と一言で簡単に言えるかもしれない。
一方で身に付けるのは意外と難しく、複雑な要素が絡み合って成り立っている故にみながみな身に付けられる能力でもない。
先天的に身に付けている人もいれば、一方で後天的に身につける人もいる。
難しいが習得可能な能力と言える。
自分はもともとカリスマ性がある人間ではないが、努力次第で身に付くのであればにつけたい能力だ。
【読書前に書き出した読書の目的】
- リーダーシップのあり方を理解し、自分の中のリーダーシップ像を明確に描くこと
- リーダーシップを持って業務に取り組めるように、具体的なリーダーシップを体得、ノウハウを得ること
-
自身のリーダーシップを伸ばすとともに、マネジメントにも将来的に関われるように意識を向上させる
ビジネスへの貢献
ビジネスの側面でリーダーシップを発揮する場面は多い。
先の見えないトンネルに灯りをともし、仲間を出口に導く必要がある。
確固たる自信がなければできないし、状況に応じた明確な判断も求められる。
引っ張られる仲間からしたらラクができるが、これからの社会でAIに仕事を奪われていく中で、全体を調整し鼓舞し、まとめながら前に進む馬力をもたらす人材は重宝されるだろう。
プライベートへの貢献
プライベートにおいてリーダーシップがどういう役割を果たすか、それは自分の思いを実現したり、家族や仲間を導くための能力とも言える。
実際問題どこかにご飯を食べに行くとなったとしても、優柔不断では頼りがいがない。
その時に自分の思いと具体的な理由を踏まえて提案し、向かうべき方向を指し示すことができれば皆ついてくるし、夫、父親としての尊厳が保てるというもの。
バランスは当然見るとしても、自分の提案を通しながら過ごすことができれば、自分の生き方としても十分に納得できるものになるんではないだろうか。
感想
この本を読んでの感想それは単純明快わかりやすいというところに尽きる。
えてして難しい説明に終始しがちなリーダーシップ関連の本において、この本は論理的に至極明快に書かれている。
わかりやすいだけではなくて自分の赴任を散る体験というか、納得度の高い書籍であった。
リーダーシップは誰でも身に付けることができる。
これが自分が思った印象だ。
感想、学び
信頼感、ぶれない決断
「任せて任さず」という言葉があるが、これはリーダーがあるべき方向を指し示した上で部下に対して権限を移譲し、業務を任せて見守るようなイメージである。
リーダーの要諦とは次の3つのことをきちんと行うことである。
1、部下たちに仕事全体の方向を指し示す
2、部下たちが仕事をしたくなる、やりやすくなる環境を整備する
3、その後は、彼ら自身が自分で仕事をやるプロセスを刺激する。応援する(P.108)
また、リーダーはぶれてはいけない。
自分の意見に自信がない、そんなことではリーダーは務まらない。
だからこそ、自分の意見を明確に持って、考えを深く掘り下げて、部下に対してわかりやすく明確に伝えることが必要とされる。
人があるリーダーに従おうと思えるには、2つの基礎条件があるように思われる。正当性と信頼感である。(P.110)
企業組織の中では、地位というものがしばしば正当性の論拠になる。そして、地位には権限がつきものである。だから、権限を持っているということが、リーダーたる条件に確かになることがある。(P.111)
信頼感を生み出す基礎要件が2つありそうだ。人格的魅力とぶれない決断である。(P.112)
ぶれない決断が信頼感につながる理由は3つある。
第一に、そもそも決断してくれるということ。
第二に、その決断の内容が筋が通っていて、だからわかりやすいし、正しい可能性が高いということ。
第三に、状況の変化とともに決断を安易に変えないこと。(P.112)
自分が慕うリーダーについて考えを巡らせてみても面白い。
自分の考えを持ってぐいぐいと引っ張っていってくれる人は頼りになるし、ついていくメンバーとしては迷うことがなく組織としては良い状態だと言えるだろう。
しかしながら、リーダーは自分の考えを押し付けすぎてもいけない。
自分の考えを押し付け過ぎると、リーダーと言うよりかは独裁者的色合いが強くなってしまう。
リーダーは全体のバランスを見ながら、皆が納得する理由をつけて理想や目標説明することも求められる。
リーダーシップを身に付けたければ
リーダーと言えば総理大臣であるとかプロ野球の監督、有名な企業の社長だとかが想起される。
リーダーになる人はリーダーたる役能力持っていることも当然だが、常に今ある仕事をプライドを持ちリーダーシップをとって取り組んできた結果で習熟していったとも言える。
リーダーになりたければ、今この瞬間からリーダーシップを取る必要がある。
最初は失敗することもあるかもしれない。
しかしながら失敗を経て学ぶこともたくさんあり、自分のリーダーシップを失敗しながら改善して向上させていくことも1つの考え方とも言える。
リーダーの仕事は考えること、判断することをに集約される。
判断基準を持っているからこそ明確な指示が出せるし、間違ったことを指摘することもできる。
その判断指標を公表することも重要だし、精度を高めていくことも求められるだろう。
器量を磨く、器量を大きくすることが、リーダーたりうる条件になる。
(中略)
器量は、3つのものから構成されているように思う。
1、考えることのスケールの大きさと深さ
2、異質な人を受け入れる度量
3、想定外の出来事を呑み込む力
(中略)
周りの人には思いもつかない範囲まで考えたり、徹底的に考えたりしているから、皆が納得する意見を言えるようになる。(P.114)
いずれにしても、判断基準を明確にすると言う事は、自分の考えをクリアにしておくことがまず重要。
自分の考えをクリアにするためには、物事について考えて考えて考え抜いて、深く思考した上で納得する答えを明確な理由とともに持つことが重要となってくる。
一言で言えば、リーダーシップを取るためには自分自身の中で考える能力を持つことが大切である。
想定外の状況でも自分の位置づけをできるためには、そのための大きな地図をもっていなければならない。大きな地図をもつためには、実は日頃から考えていることのスケールの大きさと深さが必要となる。
ここで第三の要件が第一の要件につながる(P.115)
具体的取り組み
自分の考えを具体的に持つ
社会人として必要とされる能力は、論理的思考力に始まり、リーダーシップ、マネージメントなど多岐にわたる。
これらの能力を改めて考え直してみると、コミニケーション能力が根幹にあることも見えてくる。
自分はコミニケーション能力が高くないため全体的なレベルがどうしても劣ってしまうと認識している。
逆に言えば、自分の能力の低さが目に見えているわけだから、そこを改善することができれば飛躍できるはずだ。
コミニケーション能力といっても結局のところ自分自身でどこまで考えられるかが肝心。
そこさえクリアできれば、自分自身の意見を相手に伝える、または、自分の思いを相手にぶつけてやり取りができる。
だからこそまずは自分の考えを具体的に持つことから始めよう。
表現の場を持つ
例えば今こうやってブログを書いていることも能力アップにつながる。
あるいは、家族との会話や、同僚との会話の中で自分の課題を潰せるように取り組むことも求められる。
常にトレーニングの意識を持って自分の考えも深めながら、相手とすり合わせることで、間違っている考えや新たな着想を得るなど思考の幅を広げるトレーニングをしていきたい。
ちなみに、この記事は今までタイピングによって書いていたけれども、現状Googleドキュメントによって書いてきた。
Googleドキュメントで自分の音声入力を進めることで、頭の中をある程度整理しながら話す練習にもなっていると思うし、スピード感を持って話す練習にもなる可能性がある。
話ながら考えると言うのは非常に高度なことで自分にはなかなかできないことだけれども、ブログを書く際にこの手法を使うことが非常に有効だと思うし、何か文章書くときにも使えるかもしれない。
自分の考えや感情を相手に伝えることが今までうまくできなかった自分をこれからは変えていくことが必要だと思うし、自分が変わらないと誰もかまってくれないし社会も自分に合わせて変わってくれるわけでもない。
自分が変われるように努力したい。
今後
読書を今後どう活かすか
リーダーシップの本を読んで何ができるだろうか。
-
自分のリーダー像をクリアにし、実際に業務内で信頼される人間としてリーダーシップを発揮する
-
業務を任されたうえで、自分の考えを判断基準として推進、逐次報告等を済ませて成果を出せるように動く
-
マネージャー、ディレクターレベルに抜擢され、マネジメントのイロハを身に付け、業務面での風格を出せるように取り組む
先述の通り、自分に足りていない必要な能力だと認め、コミニケーション能力と合わせて維持向上できるようにGoogleドキュメントや、他のコミニケーション手法を使って能力を高めていきたいと思う。
プライベート、ビジネス、両方にも必要な能力であるリーダーシップについて、より深く考えを巡らせ対し、考えを巡らす中で自分なりのリーダー像ができてくると思う。
自分の思いと手法をまとめて誰かに伝えると言うことができれば、さらに自分の中の考えが深まるだろうしより強固な判断基準ができたり、何ものにも負けない理由付けができる可能性がある。
結果として自分の意見が深まれば、判断基準となる軸も明確になってくるし、素早く判断ができる可能性が高まる。
素早い判断はたくさんの人から求められることだと思うし、自分がそれができるようになれば、他人に抜きん出ることができるだろう。
ただその判断基準がぶれたり、信頼をなくすようなことがあれば、今までの努力は水泡に帰すし、自分の能力向上にもつながらないだろう。
さらには自分の将来についても良い影響を及ぼさなくなる可能性が高まる。
数ヶ月後、自分がこのリーダーシップを学んだことによってどこまで成長できているかわからないけれども、リーダーシップについて考え続けることで徐々にリーダーらしくなれるんじゃないだろうかと思う。
リーダーシップは奥が深い。
実際にリーダーらしさを振る舞ってこそ磨かれていくものでもあるだろう。
何度も繰り返すが「考えること」がスタートラインであって、考えることができなければリーダーの判断基準が明確にならないし部下もついてこない。
考えることができれば多様な意見から最も正解であろうという答えを導くこともできるし、相手を納得させることもできるだろう。
次は、リーダーシップの考え方をより深くして、リーダーのあるべき方向を自分なり持ちたいと思う。
リーダーシップの手法だけではなく、実際の仕事についての明確な判断基準がある必要も求められるので、仕事の中での具体的な目標や掲げるべき夢やビジョンミッションを明確にしていきたい。
ただただ楽しく生きるだけじゃなく、周りの人を巻き込みながら自分の思う方向へ進むことができればより一層充実した人生を送れることをできるだろう。
自分だけじゃなく第三者の人生もより良いものにすると言うふうに考えればリーダーシップは非常に有効かつ皆に求められる能力だと言える。
「アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方」レビュー
「アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方」レビュー。
アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方: 一人ひとりの能力を100%高めるマネジメント術 (知的生きかた文庫)
- 作者: マイケルアブラショフ,Michael Abrashoff,吉越浩一郎
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2015/05/22
- メディア: 文庫
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目的
リーダーシップとまるっきり縁がなかったわけではないけれども、あまりリーダーシップを取る機会がなかったのは事実。
今から学生に戻れるなら、コミュニケーション能力とリーダーシップについては、口を酸っぱくして伸ばす努力をしろといいたいレベルのスキルである。
リーダーシップがある人生を送ることができれば、人生は間違いはあれど納得できる、有意義なものになるだろう。
体系的に知りたい、事例を知りたい、というきっかけから本を手に取った。
【読書前に書き出した読書の目的】
- リーダーシップを取れる人間の特性と考え方を知って、自分自身が身に付けられるように行動に落とし込むこと
- リーダーシップとマネジメントの違いを把握したうえで使い分けられるようになり、そして、優秀な管理職として成長できるよう取り組む
- 良いリーダーシップの実例を知り習得することで、さらに踏み込んだリーダーのありかたを追求すること
ビジネスへの貢献
まずもってリーダシップが必要とされるのはビジネスでの場面。
プロジェクトを進める、部下への指針を示すという部分でリーダーシップは求められる。
マネジメントとは違う概念なので、ゴールを描いて焚きつけるようなイメージ。
リーダーシップは馬力が必要だし、明確なロジックを描くこともできなきゃいけない。
誰もができる能力ではないのは事実。
真似事から入らざるを得ないし、最初から身に付けている人なんて一握りだろう。
今後AIが台頭してくる世の中において、リーダーシップのある人材は引く手あまたになるだろう。
必要とされる人材になるためにも、今後一層必要とされる能力になってくると考えられる。
プライベートへの貢献
プライベートでも選択、決断を求められることは多い。
自分がどのような生活を送りたいか、何を成し遂げるかをよくよく理解してからがリーダーシップの出番。
間違っているかもしれない、正解のない人生を歩む道しるべ。
自分を信じる=自分の明確な理想を持てるかどうかがカギになる。
家族を路頭に迷わせないためにも、自信みなぎる大黒柱になるような感じだろうか。
感想
確かにその通りという内容(けれどできていない内容)が 多かった印象で、具体的にどうすべきかという現実への落とし込みは少ないように思う。
自分の信念に基づいて、部下に任せてしまう、部下を信じるという部分に本質があるように感じた。
私の職場のモットーは「きみが艦長だ」になった。(P.21)
上司は自分が行うあらゆる決定や行動を通じて、部下にどう活動すべきかを教え込まなければならない。その上で、部下の行動の責任を取る姿勢が必要なのだ。(P.41)
目標を明確にし、それを行うだけの時間と設備を与え、部下がそれを正しく行うための適切な訓練を受けていることを確認しないかぎり、もう二度と命令を口にすることはしないようにと、心に誓った。(P.44)
実際、誰もどう進めるかが分からない状況でも、リーダーが明確に目標を示すことができれば動く立場の人間は動きやすい。
また、手順は時折確認されるとしても、①やり方を任されること、②責任をとってもらえること、があれば思い切って仕事にかかれるだろう。
能力以上の仕事をすることも期待できそうだ。
感想、学び
- 海軍で通用するリーダーシップ=社会でも通用するスキルであると感じられた
- 多数の事例を基に行動の裏付けを行っていたものの、自慢をしているように感じられる部分もあり花についた
- 具体的な示唆に富んだ内容は特段なく、部下の裁量権を増やして、基準を定めて自主的にさせるという部分が印象に残った
具体的な取り組み
自分自身が取り組むプロジェクトや新規案件に関して、積極的に答えを絞り出しながら取り組むことが必要。
特別何かトレーニングをするというわけではなく、日常業務から自分事として作業にかかることでトレーニングに代えられるはず。
また、マネジメントについても、気になる気持ちを抑えながら、目標の提示&一任というスタイルを推し進めることが重要になってくる。
自分がした方が早い部分も多いし、逆にお膳立ての準備が大変かもしれないが、自分にとってもまかせる経験値が溜まるし、部下にとっても自分の思い通りに案件を進める経験ができる。
「自分たちの提案を大事にしてくれる上司」に対しては、部下たちは心を開き、信頼を寄せてくれる(P.30)
部下に任せる際に、指針を与え、その範囲内で動き回ることを許すようにすればいい(P.116)
前向きで、直接的な励ましこそが効果的なリーダーシップの本質(P.186)
これは、会社全体にとっても良い循環で、自身の仕事を任せることができれば、さらに重要な案件に取り掛かれる。
「自分自身で判断し、行動できる」-彼らの人生がどのようなものになっても、それほど重要で、彼ら自身や彼らの属する組織の役に立つスキルはないと思う。(P.115)
何をするにも必ずもっとよい方法があると考えよ(P.27)
生まれ持ってのリーダーシップがない人間にとって、何もせずに日常を過ごしているだけでは身に付かない能力。
日常から少しでも意識して取り組めば、何もしない人よりも間違いなく成長する。
どれだけ早く気付けるか、あとは効率よくやるか。
求めているのは、自発的にものを考える人間だ。(P.137)
今後
リーダーシップは一つの型があるわけでもないし、十人十色の世界。
いろんな事例にあたって、自分の色を出せればOK。
焦ることもない。
読書を今後どう活かすか
- リーダーシップについて不完全な理解の部分もあるので、他の書籍についても読んでみて理解を深める
- 自分が今からできる仲間を励ましたり、裁量権を与えて取り組ませる部分を増やしていく
- リーダーシップとマネジメントの使い分けを意識しながら、最終的にチームを良いものにしていくことに注力していく
まずは日常にリーダーシップを取り入れよう。
「「先延ばし」にしない技術」レビュー
「「先延ばし」にしない技術」レビュー。
- 作者: イ・ミンギュ,吉川南
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2012/01/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 123回
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目的
先延ばしにするメリット、デメリットは何か。
先延ばしの誘惑に負けない人はいるのだろうか。
根本的な疑問を抱くところから読書開始。
自身の習慣を見直して効率的に成果を生み出せるようにするためにも、「先延ばし」の傾向を知り対策を打てるようになるべきだ。
【読書前に書き出した読書の目的】
- 仕事やプライベートでの作業の先延ばしが多発しており、改善してより良い生活を送れるようにする
- 先延ばしにしないことのメリットを正確に把握し、先延ばしにするデメリットを具体的につかめるようにする
- 先延ばしにしない具体的な取り組みを理解し実践、および、同僚や家族に教えてあげて周りの人をハッピーにする
ビジネスへの貢献
先延ばしがなくなれば、したい業務、すべき作業をオンタイムでこなすことができる。
業務を順次こなすことができ、信頼感が高まり、重用されるビジネスマンになれる。
先延ばしがあれば、ダラダラとすべき厄介な業務が残り、関係者に迷惑を掛ける、上司に怒られる。
評価が下がり、仕事に追われ、能力も高まらない、ダメリーマンになってしまう。
関西でお馴染みのCM風に言えば、「先延ばしがある時~、先延ばしがない時~。」
(このCMは、マーケティング的にも具体的な利用場面を具体的に描いて訴えかけているという面で秀逸な作品)
両極端な結末が想像できる。
プライベートへの貢献
プライベートにおいても、掃除や洗濯などの家事、家事とも呼べない名もなき家事の大半を未来に繰り越してしまうことはよろしくはない。
先延ばしの神様に先延ばされなくして、充実したプライベートを過ごせるようになれば、仕事とプライベートのバランスが高まり、より良い生活を送れるというもの。
先延ばしの神様の正体と、具体的な対象方法が分かれば怖いものなしだ。
感想
結論としては、「自分がどうありたいかを明確化させることができれば、その理想に向かって必然的にベターな選択、ベターな行動をとり続けることができる」と理解できた。
人生の成功を手にするには、目標を達成した場面をイメージする「ゴールの可視化」よりも、目標までのルートを正しく捉える「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。(P.28)
人間の考えは行動を決定し、人間の行動は運命を決定する。(p.180)
技術的なことよりも自分のしたいことを明確に描いて、強烈に願うことがモチベーションの根源であるのは事実。
研ぎ澄ませることで、何物にも邪魔されずに、その目標に直進できるという流れは当然のように思える。
成功するのは簡単だ。未来から逆算して、現在の行動を選択する習慣を持ちさえすればいいのだから。(p.48)
先延ばしの原因
単純なる怠惰が原因。
すべきことではあるが急を要しないと判断して、都合の良い作業に没頭してしまう。
または、苦痛を感じたくないがために、優先順位と重要性を考えずどうでも良いことに時間を使ってしまうことになる。
失敗する者は常に、将来は苦痛の種になるかもしれないが当面は楽しい仕事に一生懸命になり、成功する者は、将来的に大きな満足を与えてくれるが現在は苦痛な仕事 ー つまり、失敗する者が嫌う仕事を先にする。(p/171)
先延ばしのメリット、デメリット
先延ばしのメリットは、苦痛を先送りにできるという1点に集約される。
ラクしたい、快楽を追い求められるという点においては今を楽しめていると言えるかもしれないが、長期的な視点で見ると大概誤った判断であることが多い。
一方で先延ばしのデメリットは、人生の夢や希望、目標を達成できなくなる可能性を高めるということになろう。
目先の誘惑に惑わされがちな人間にあって、成功する人はすべからく目標に向かって突き進むという共通点を見出せる。
ある分野で頭角を現した人たちには、共通点がある。目標がはっきりしていて、寝ても覚めてもその目標から目をそらさないという点だ。(p.227)
先延ばしへの対策
先んじて取り掛かるためにも、誘惑に負けない、自分の意思を継続させる環境を作る必要がある。
- まず、達成したい目標と最終的な期限をはっきりと定める
- 目標を達成するプロセスにおける小目標と期限を定める
- 目標に関係する最初の仕事を選んで、ただちに実践に移す(p.49)
- 目標達成のための具体的な実践計画を考える
- 実践のプロセスで実践を妨害する突発事態を予測し、箇条書きにする
- それぞれの事態に対する代案(プランB)を考える(p.58)
人は言葉や文章で自分の考えを公開すると、その考えを最後まで守ろうとする傾向がある。(p.69)
速さよりも早さが大事で、作業一つとっても重要性を判断したうえで取り掛からないと全く意味のないものになってしまう。
成功する人は、解決すべき問題が何かを正確に知るため十分な時間をかけるが、失敗する人は、問題を正確に把握するより前に、むやみに解決しようとしてあくせくする。(p.38)
どうせしなくてはならないことなら、即断即決で処理するのがよい。速度は自分を他の人たちと差別化するもっとも効果的な手段であり、アドバンテージをとるためのもっとも確実な要因だ。(p.94)
もっとも実践に適した日は「今日」であり、もっとも実行に適した時間は「いま」である。(p.95)
大きく考え、小さく始めよう。Think Big! Act Small!(p.113)
昨今流行った、「今でしょ」は含蓄のある言葉。
今後
全体の要旨としては以下の通り。
先延ばしにするかどうかは、自身の想いと環境を整えることでコントロールできるようになる。
-
自分のしたいことを明確にする
-
締め切りを作ってプロセス重視で取り掛かる
-
達成できるように環境を整える
-
波及効果も考えて取り組む
さまざまな目標を追求する過程で、目標達成後の派生効果まですべて考えることは、苦難と挫折に打ち勝つ大きな原動力になるのだ(p.84)
本当にしたいこと
明確に見いだせていないので、まずはこれから。
過去、現在、未来という時間軸の中で、最終的にどうしたいのか、どうありたいのか。
自分が何に興味があって、どのように感じて、どう取り組んできたのか。
中途半端ではいけない。
突き詰めて考えて動いていかないと、時間があるようでない人生だから、ややもすれば手遅れになりかねない。
早めに仮にでも決めてしまって情熱的に取り組んでいこう。
読書を今後どう活かすか
この手の本は自己啓発に終わりがち。
積極的かつ具体的な行動を先延ばしにしないためにも、アクションに繋げることが最も重要。
- 速さよりも早さが重要なので、早さを向上させるためにも、自分が本当にしたいことは何かを考え、具体的に行動への足がかりを作る
- 自分にとってすべきことを締切から逆算してプロセスに落とし込み、業務の成果を出せるようにする
- 先延ばしにしない技術や考え方を周りに共有する
昨日と違う明日を迎え、他人と違った人生を生きたければ、必ず満たすべき前提条件がある。昨日と違うことを考え、他人と違うことを行わなければならないということだ。(p.264)
「入門 考える技術・書く技術」レビュー
「入門 考える技術・書く技術」レビュー。
読書を知識、技術に変えるべくアクションリーディングの実践へ。
- 目的
- ビジネスへの貢献
- プライベートへの貢献
- 感想
- ピラミッド原則
- 感謝の言葉にPDF
- 今後
- 気になる能力
- 本質的な問題、考え方
目的
「入門 考える技術・書く技術」は、論理的思考力を鍛える具体的な方法を知りたくて読破した。
自己啓発本をたまに読むが、ただ読むだけで実際に自分の成長に繋げられていなかった。
ビジネスへの貢献
成長することがすべてではないけれども、効率的に仕事を進められるに越したことはないし、時間を作ってプライベートを充実させることもできる。
論理的な思考が出来れば、正しい筋道だった流れで業務を行えるだろう。
作業のやり直しが減ると同時に、過不足のないクオリティが担保された内容の制作物も出せるようになる。
論理的思考、論理的な書き方という技術は、ビジネスに絶大な効果をもたらす普遍的かつ究極の技術でもある。
同僚や関わる方々にも教えることが出来れば、皆がハッピーになる確率も高まる。
プライベートへの貢献
プライベートで論理的に考えることも多い。
嫁さんとのやり取りはロジカルかどうかではない側面もあるが、家族として何かを決定するタイミングがあれば役に立つ。
子どもを育てるにあたっても重要な要素になってくるだろう。
物事の考え方を教えることは無数に発生するだろうから、今から自分が論理的な思考を身に付けておくデメリットはなさそうだ。
自身の些細な判断にも効力を発揮する。
感想
「入門」と謳われている通り、基礎的なエッセンスと具体的な取り組みに言及されている書籍であった。
折を見て見返しながら、自分の能力として身に付けて行くことができれば、十分な投資効果があるというものだ。
そういう意味では、本家「考える技術・書く技術」から入らなかったのも正解と言えるかもしれない。
ピラミッド原則
自分の伝えたいメッセージを補完する複数のメッセージを付けるというピラミッド原則。
この大原則をもとに細かい規則的な話が並んでいた印象だ。
結論から先に話すことが鉄則のビジネスの世界で、まさに、そうそうその通り!という内容。
具体的な各論をきちんと把握したうえで結論に帰結する正当性を証明するような、まるで数学の証明問題のような展開。
論理的というのは、整合性が取れて、理論破綻が起こらない状態を示す。
言葉ではわかるけれども、実際に自分が文書を書く時や話をする際に論理的にできているのか自信はない。
いや、できていないことが多いだろうな。
…ということにも改めて認識できる内容でした。
感謝の言葉にPDF
では、どうすれば具体的に論理的な考え方や書き方ができるのか。
先ほどのピラミッド原則を覚えたうえで、日々のメールでのトレーニングで強化していく流れが提案されている。
感謝の言葉+Purpose+Detail+Follow Throughという構成で、ピラミッド原則を意識しながらメール作成をすれば、知らぬ間に論理的思考が身に付くらしい。
目からうろこという内容は多くなかったものの、視点を変えて日々の業務をトレーニング化することができる部分には新しいものを発見した喜びを感じた。
毎日続ければ身に付くものと信じてやるしかないだろう。
情報収集、10分メモ等の自己啓発の取り組みも今のところ続いている。
英語の勉強も再開したいし、成長につなげる読書もしていきたい。
当然、仕事で成果を出すことも重要だが、一方で家族との時間も大切にしたい。
いずれにせよ、業務をしながら能力アップも図れる一石二鳥のトレーニング。
やらない選択肢はない。
今後
ビジネス、プライベートでの効率化や自身の能力向上を目指した読書。
ここまで上手くピラミッド原則で考えられず書き殴っている感もあるが、これも一つのトレーニングと思って目をつぶろう(笑)
気になる能力
ロジカルシンキングのみならず強化したい取り組み。
- ロジカルシンキング
- クリティカルシンキング
- ファシリテーション
- リーダーシップ
- マネジメント
読書して分かったつもりでも実際に使えないと意味がない。
分かったつもりになる読書は多いが、誰かに伝えたり、教えたりすることで能力の本質に迫ることができる。
具体的なトレーニングにも落とし込みながら成長に結び付けないといけない。
実際に使える能力にすることが目的だから、能力にならない、しにくいものは避けるか本気で取り組むかを検討しなければならない。
本質的な問題、考え方
本当に必要な能力が何かは、自分がどこを目指しているのかにもよるし、むしろ人生の考え方に収斂する。
コンセプトを具体的に描いたうえで各論がコンセプトを成立させている状態。
まさに、論理的な状況が必要なわけだ。
- 具体的な目標や理想を持ったうえで、現状とのギャップを埋める能力を見出す。
- それをどのように身に付けるかを具体的な施策に落とし込む。
- PDCAを回して実際に身に付ける。
きっかけを今回のロジカルシンキングとして、そこから実務で使える能力を高め、経験値を積みたい。
そして、まずはピラミッドの頂点である自分の在り方を具体的に描き出すところから始めないといけないことが判明。
入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法
- 作者: 山崎康司
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/04/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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