「「先延ばし」にしない技術」レビュー

「「先延ばし」にしない技術」レビュー。

 

 

「先延ばし」にしない技術

「先延ばし」にしない技術

 

目的

先延ばしにするメリット、デメリットは何か。

先延ばしの誘惑に負けない人はいるのだろうか。

 

根本的な疑問を抱くところから読書開始。

自身の習慣を見直して効率的に成果を生み出せるようにするためにも、「先延ばし」の傾向を知り対策を打てるようになるべきだ。

 

【読書前に書き出した読書の目的】

  • 仕事やプライベートでの作業の先延ばしが多発しており、改善してより良い生活を送れるようにする
  • 先延ばしにしないことのメリットを正確に把握し、先延ばしにするデメリットを具体的につかめるようにする
  • 先延ばしにしない具体的な取り組みを理解し実践、および、同僚や家族に教えてあげて周りの人をハッピーにする 

 

ビジネスへの貢献

先延ばしがなくなれば、したい業務、すべき作業をオンタイムでこなすことができる。

業務を順次こなすことができ、信頼感が高まり、重用されるビジネスマンになれる。

 

先延ばしがあれば、ダラダラとすべき厄介な業務が残り、関係者に迷惑を掛ける、上司に怒られる。

評価が下がり、仕事に追われ、能力も高まらない、ダメリーマンになってしまう。

 

関西でお馴染みのCM風に言えば、「先延ばしがある時~、先延ばしがない時~。」

(このCMは、マーケティング的にも具体的な利用場面を具体的に描いて訴えかけているという面で秀逸な作品)

両極端な結末が想像できる。

 

プライベートへの貢献

プライベートにおいても、掃除や洗濯などの家事、家事とも呼べない名もなき家事の大半を未来に繰り越してしまうことはよろしくはない。

先延ばしの神様に先延ばされなくして、充実したプライベートを過ごせるようになれば、仕事とプライベートのバランスが高まり、より良い生活を送れるというもの。

 

先延ばしの神様の正体と、具体的な対象方法が分かれば怖いものなしだ。

 

 

感想

結論としては、「自分がどうありたいかを明確化させることができれば、その理想に向かって必然的にベターな選択、ベターな行動をとり続けることができる」と理解できた。

人生の成功を手にするには、目標を達成した場面をイメージする「ゴールの可視化」よりも、目標までのルートを正しく捉える「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。(P.28)

  

人間の考えは行動を決定し、人間の行動は運命を決定する。(p.180)

 

技術的なことよりも自分のしたいことを明確に描いて、強烈に願うことがモチベーションの根源であるのは事実。

研ぎ澄ませることで、何物にも邪魔されずに、その目標に直進できるという流れは当然のように思える。 

成功するのは簡単だ。未来から逆算して、現在の行動を選択する習慣を持ちさえすればいいのだから。(p.48)

 

 

先延ばしの原因

単純なる怠惰が原因。

すべきことではあるが急を要しないと判断して、都合の良い作業に没頭してしまう。

または、苦痛を感じたくないがために、優先順位と重要性を考えずどうでも良いことに時間を使ってしまうことになる。 

失敗する者は常に、将来は苦痛の種になるかもしれないが当面は楽しい仕事に一生懸命になり、成功する者は、将来的に大きな満足を与えてくれるが現在は苦痛な仕事 ー つまり、失敗する者が嫌う仕事を先にする。(p/171)  

 

先延ばしのメリット、デメリット

先延ばしのメリットは、苦痛を先送りにできるという1点に集約される。

ラクしたい、快楽を追い求められるという点においては今を楽しめていると言えるかもしれないが、長期的な視点で見ると大概誤った判断であることが多い。

 

一方で先延ばしのデメリットは、人生の夢や希望、目標を達成できなくなる可能性を高めるということになろう。

目先の誘惑に惑わされがちな人間にあって、成功する人はすべからく目標に向かって突き進むという共通点を見出せる。 

ある分野で頭角を現した人たちには、共通点がある。目標がはっきりしていて、寝ても覚めてもその目標から目をそらさないという点だ。(p.227) 

 

先延ばしへの対策

先んじて取り掛かるためにも、誘惑に負けない、自分の意思を継続させる環境を作る必要がある。

  1. まず、達成したい目標と最終的な期限をはっきりと定める
  2. 目標を達成するプロセスにおける小目標と期限を定める
  3. 目標に関係する最初の仕事を選んで、ただちに実践に移す(p.49)

 

  1. 目標達成のための具体的な実践計画を考える
  2. 実践のプロセスで実践を妨害する突発事態を予測し、箇条書きにする
  3. それぞれの事態に対する代案(プランB)を考える(p.58)  

 

人は言葉や文章で自分の考えを公開すると、その考えを最後まで守ろうとする傾向がある。(p.69) 

 

速さよりも早さが大事で、作業一つとっても重要性を判断したうえで取り掛からないと全く意味のないものになってしまう。

 成功する人は、解決すべき問題が何かを正確に知るため十分な時間をかけるが、失敗する人は、問題を正確に把握するより前に、むやみに解決しようとしてあくせくする。(p.38)

 

どうせしなくてはならないことなら、即断即決で処理するのがよい。速度は自分を他の人たちと差別化するもっとも効果的な手段であり、アドバンテージをとるためのもっとも確実な要因だ。(p.94)

 

もっとも実践に適した日は「今日」であり、もっとも実行に適した時間は「いま」である。(p.95)

 

大きく考え、小さく始めよう。Think Big! Act Small!(p.113)

 

昨今流行った、「今でしょ」は含蓄のある言葉。

 

 今後

全体の要旨としては以下の通り。

先延ばしにするかどうかは、自身の想いと環境を整えることでコントロールできるようになる。

  • 自分のしたいことを明確にする

  • 締め切りを作ってプロセス重視で取り掛かる

  • 達成できるように環境を整える

  • 波及効果も考えて取り組む

さまざまな目標を追求する過程で、目標達成後の派生効果まですべて考えることは、苦難と挫折に打ち勝つ大きな原動力になるのだ(p.84) 

 

本当にしたいこと

明確に見いだせていないので、まずはこれから。

過去、現在、未来という時間軸の中で、最終的にどうしたいのか、どうありたいのか。

自分が何に興味があって、どのように感じて、どう取り組んできたのか。

 

中途半端ではいけない。

突き詰めて考えて動いていかないと、時間があるようでない人生だから、ややもすれば手遅れになりかねない。

早めに仮にでも決めてしまって情熱的に取り組んでいこう。

 

読書を今後どう活かすか

この手の本は自己啓発に終わりがち。

積極的かつ具体的な行動を先延ばしにしないためにも、アクションに繋げることが最も重要。

  • 速さよりも早さが重要なので、早さを向上させるためにも、自分が本当にしたいことは何かを考え、具体的に行動への足がかりを作る
  • 自分にとってすべきことを締切から逆算してプロセスに落とし込み、業務の成果を出せるようにする
  • 先延ばしにしない技術や考え方を周りに共有する 

昨日と違う明日を迎え、他人と違った人生を生きたければ、必ず満たすべき前提条件がある。昨日と違うことを考え、他人と違うことを行わなければならないということだ。(p.264)